皆様こんにちは、鈴木です。
柱の寸法や通路幅など、色々な場面でお客様とお打ち合わせさせて頂いてますと、質問を受ける事が
多々ございます。
少し、建築に際しての寸法の解説をさせて頂きたいと思います。
●まず、尺(しゃく)寸法とメーターモジュールの違いについてお話させて頂きます。
尺(しゃく)寸法とは、日本古来の寸法であり、1尺=303mmを一単位とするものです。
対してメーターモジュールとは、現在世界の基準寸法となっており、我々の身の回りでも
メジャーになっているのではないでしょうか? 1m=1000mmなどと表します。
当社ではどちらの寸法でも対応が出来ますが、やはり在来古来からの尺モジュールを主と
しております。
1尺=303mm
2尺=606mm
3尺=910mm
4尺=1213mm
5尺=1516mm
と覚えて頂きたいですが、もう一つ、間(けん)と表示するものもあります。
こちらは1間=1820mmを一単位とするものです。
1間=1820mm
2間=3640mm
3間=5460mm
とこちらも覚えて頂きたいです。また
0.5間=910mm (はんけんと呼んだりもします)
1.5間=2730mm
2.5間=4550mm
こう表示すると1尺=303mm、または3尺=910mmこれは0.5間と同じ寸法になります。
分かり易いところでは、畳を思い浮かべてもらいますと
畳の辺の長さは910mm×1820mmが1枚の大きさの基本になります。
部屋の呼び方で、6畳間と呼ぶ部屋はその畳が6枚とかぞえられるので6畳と。
さらに、6畳の部屋の辺の長さは、基本2730mm×3640mmです。
呼びかえれば、1.5間×2間が6畳の寸法と言います。
1820mm 3640mm=2間
畳1枚 910mm 2730mm =1.5間
畳 6枚
また、今後図面や実際に建っている建物の坪数を求める際、この間(けん)は
非常に便利な使い方が出来ます。
例えば、3間×4間の長方形の建物であれば、その建物の坪数は12坪となります。
尺モジュールで造られている建物であれば、間で数える事で、容易に坪数を求める
事が出来ます。
その他、1寸=30.3mm
1分(ぶ)=3.03mm
という寸法表示もあります。
●次に、柱の寸法についてですが、
木造の建物の主要部材は柱です。昔の造りでは、大黒柱と呼ばれる家もあたかも支えて
いるであろう主要柱が存在し、家庭のお父さんもそれを比喩して我家の大黒柱と呼ばれた
ものでした。
現代の木造の作りでは、あまり大黒柱で家を支える様な造りは少なくなっており、力を分散
する様に、柱や壁、横架材で家を持たせる造りが主になっていると思います。
当社で用いている造りもその現代の造りの方であり、通し柱や管柱を多く建てる造りです。
では柱の寸法ですが、まず当社で用いている柱寸法は基本3.5寸角と言われる寸法の柱を
使います。3.5寸=105mmの寸法であり、家の4隅には2階建てだと通し柱という柱を使い
それは4.0寸角=120mmの寸法となります。
柱の角寸法が大きいほど家の強さは強いと見られますが、確かに1本分だけの比較で考えれば
3.5寸の柱よりも4.0寸の柱の方が強いと思われます。ですが、家の強度を図るものは
バランスだと私は思います。これはあくまで私的な意見ですので、一概には言い切れませんが。
現代の造りでは強度計算もできますし、確たる機関に見てもらえば強度は図れますので、ここで
はこのお話は割愛させて頂きます。
ここで伝えたいのは、強度と言う部分ではなく、生活をする上での空間の寸法のことです。
1通路で考えてみます。通路やホールと呼ばれる寸法は先に述べた3尺や半間(910mm)と
しますと、実際図面に表示されるのは柱の芯から柱の芯までの寸法で910mmと表します。
これは、柱や壁の寸法を含めた寸法になるため、実際に仕上がった時には910mmとした寸法には
なりません。お客様に実際の寸法を問われる時があるでしょう。その際は、105mm(3.5寸角)
の柱を用いた場合の910mmの通路・ホールの内寸(ないすん)を提示してあげる必要があります。
910mm-105mm-12.5mm-12.5mm-4mm-4mm=772mm
図面表示寸法-柱の寸法-石膏ボード-巾木寸法
これが、4.0寸角の場合は
910mm-120mm-12.5mm-12.5mm-4mm-4mm=757mm
になってしまいます。4.0寸の柱を使う場合にはメーターモジュールを勧めたいものです。
また、3.5寸角の柱を読む際は、(さんずんごぶ)と呼びます。
と、長々と私の意見入りでの解説になってしまいましたので、わかりづらい部分もあったかと
思います。ですがプランニングをされる際には、建物の寸法に実際生活をされる際の家電や家具の
配置ももちろん考えていかないとならないと思いますので、この寸法についての講釈が参考になれば
嬉しいものと思います。
打合せの際は、是非とも聞いて頂けたら、上で言っている内寸とかはすぐ答えられますので、話して下さいね。